業績
受賞
2012年度スポーツ史学会奨励賞
対象: 及川佑介 著『松本幸雄と『籠球研究』(昭和9~11年)――日本バスケットボール史の一齣』(2011,叢文社)
2009年度東北アジア体育・スポーツ史学会学会賞
対象: 東北アジア体育・スポーツ史学会第8回大会での発表「昭和初期におけるバスケットボールの戦術体系に関する一考察――李想白の小論『コーチの類型と進化』(昭和10年)を中心として」
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研究助成
科研費
李想白によるバスケットボールの技術・戦術に関する史的研究
- 2017年4月~2019年3月
- 若手研究(B):17K13150
概要
昭和初期に日本のバスケットボール界は組織化と競技化が進んだことで,競技力が急速に向上し,技術・戦術の変化がみられた。その組織化と競技化の中心に位置していたのが李想白であった。彼は戦後に大韓民国で最初のIOC委員を務めた人物である。李想白は,日本バスケットボールの競技力向上のため,「書籍・機関誌での執筆」,「技術・戦術の導入」,「チームの指導」,「ルール・審判の整備」などから働きかけている。そこで日本バスケットボールの技術・戦術の変化を李想白の視点からアプローチすることで彼の技術的関与を明らかにする。
李想白が我が国のバスケットボール界に果たした役割に関する史的研究
- 2012年4月~2014年3月
- 若手研究(B):24700660
概要
我が国のバスケットボール界は,1930年に大日本バスケットボール協会を設立させた。その後も発展は続き,バスケットボールがオリンピックの正式種目になった1936年のオリンピック・ベルリン大会に出場するほどまでの隆盛をみせた。こうした時期に,李想白は我が国のバスケットボールを組織的,技術的に進歩させた中心的な人物であり,彼が著した『指導籠球の理論と実際』(1930)は当時のバイブル的存在として技術向上に寄与したという(岸野,1972,p. 379)。そこで,本研究では黎明期における我が国バスケットボール史研究の一端を明らかにするため,李想白が担っていた役割を考察する。
- 岸野雄三(編)(1972).『スポーツの技術史』大修館書店.
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著書
単著
松本幸雄と『籠球研究』(昭和9~11年)――日本バスケットボール史の一齣
2012年度スポーツ史学会奨励賞受賞
昭和初期における我が国バスケットボールの競技力向上過程を明らかにする方法として,競技力向上に貢献した要因を外的要因と内的要因とに分けて論述した。
本研究は大きく2章で構成されているが,第1章では,バスケットボールの競技力向上に寄与した諸々の外的要因に目を向け,第2章では,競技力向上に直接貢献した技術・戦術に関わるもので,内的要因ともいうべき問題について論じた。
目次
- 序章
- 研究の目的,意義,対象
- 松本幸雄の活動
- 先行研究について
- 本研究の課題,及び資料について
- 論文の構成,及び研究の方法について
- 第1章:松本幸雄のバスケットボールとの関わりを中心として
- 大正期までの我が国におけるバスケットボールの展開
- 松本幸雄のバスケットボールとの出会い
- 指導者,研究者,そして『籠球研究』の作成者としての松本幸雄
- 『籠球研究』における編集後記等の記事からみる当時の課題
- 『籠球研究』を支えた人々
- オリンピック種目として採用される経緯
- 第2章:技術・戦術における試行錯誤・成熟化
- バスケットボールのボールとコート
- 昭和初期におけるバスケットボールの技術・戦術の変化
- 昭和初期におけるドリブル技術及びその用法の変化
- 昭和初期におけるシステムプレーの分析
- オリンピック・ベルリン大会(昭和11年)
- 終章
- 競技力向上過程における松本幸雄――外的要因について
- 昭和初期におけるバスケットボールの技術史――内的要因について
共著
観光・娯楽・スポーツ
- シリーズ:郷土史大系――地域の視点からみるテーマ別日本史
- 竹内誠,白坂蕃,新井博(編),朝倉書店より2021年1月刊行
- 定価:16,000円+税,ISBN978-4-254-53578-5
本書は,我が国の体育・スポーツの歴史を記したスポーツ事典であり,「バスケットボール」「水上スキー」「ゴルフ」「サーフィン」「ボート」「ヨット」の項目を担当。
健康スポーツ50講
- 中央大学保健体育研究所(編),中央大学出版部より2019年3月刊行
- 定価:3,000円+税,ISBN978-4-8057-6191-5
- 及川佑介執筆担当「第1章.スポーツ・身体活動の意味と意義――第2節.スポーツの始まり」
身体文化論を繋ぐ――女子・体育・歴史研究へのかけ橋として
- 監修: 掛水通子
- 編著: 山田理恵,及川佑介,藤坂由美子
- 叢文社より,2019年3月刊
- 及川佑介「李想白に関する一考察――昭和初期におけるバスケットボールの歴史」「あとがき」
掛水通子先生の東京女子体育大学定年退職を記念し「体育界の大長老から若手に至る研究者,総勢23名が体育史について論ずる」。
新版:スポーツの歴史と文化
- 新井博(編著),道和書院より2019年4月刊
- 9章「現代スポーツの課題―5.アダプテッド・スポーツとパラリンピック」及川佑介
バスケットボール競技史研究概論
- 監修:谷釜了正(日本体育大学名誉教授)
- 執筆者:小谷究(流通経済大学),及川佑介(東京女子体育大学),谷釜尋徳(東洋大学)
- 流通経済大学出版会より,2018年12月刊。定価:1,300円+税 ISBN 978-4-947553-78-2
これまで,体育・スポーツ史の学問論や研究方法論は,当該分野の泰斗によって蓄積されてきた。こうした研究成果の「体育」ないし「スポーツ」という文言を「バスケットボール競技」に置き換えれば,ある程度の示唆を得ることが可能になる。しかしながら,さらに立ち入ってバスケットボール競技史に固有の学問性を特定し,その方法論まで視野に収めて展望したものは存在しない。
こうした背景のもと,日本を対象としたバスケットボール競技史研究の方法論を解説するために編まれたのが本書である。ここで提示する「ハウツー」は絶対的なものではないが,本書を踏み台にして,より効果的な研究法を確立すべく議論が活発化する日を待ちたい。[Amazon.co.jpで購入]
『籠球〈復刻版〉第10巻』解説1-17
- 2017年6月,デポルターレ刊
昭和6年から昭和17年まで刊行された『籠球』の解説を行った。大日本バスケットボール協会が昭和5年に設立され,機関誌『籠球』の創刊に至るまでの経緯とその後を,李想白の視点を取り入れながら,機関誌『籠球』の歴史的位置付けを考えた。
中央大学文学部 体育の科学(演習)「資料集」
「未開時代から近代における体育・スポーツの歴史――現代のスポーツの様々な可能性を考える」(pp. 109-119)を執筆担当。
杉山重利教授退職記念誌:豪放磊落――文武両道の先達
- 杉山重利先生退職記念誌編集委員会(編)
- 2012年5月,
- 編集委員:園山和夫,福ヶ迫善彦,及川佑介
杉山重利先生のご退職に伴い,論集を作成した。「杉山重利先生に学ぶ」と題して寄稿し,その他,編集を担当。
スポーツの歴史と文化――スポーツ史を学ぶ
本書は,スポーツの歴史と文化を学ぶための教材となるよう意識して作成している。
「アダプテット・スポーツ」,「パラリンピック」,「スポーツ・ボランティア」の項目を担当。
多様な身体への目覚め――身体訓練の歴史に学ぶ
論文「松本幸雄に関する一考察――昭和前半期におけるバスケットボールの歴史」(pp. 352-369)を掲載。
バスケットボールが競技として固たる位置を確立しはじめた昭和前半期において,日本バスケットボール界の発展のためにバスケットボールの技術的研究の深化を求め,主に研究・普及活動で群を抜いていた松本幸雄を取り上げ,その活動状況を明らかにした。
メルクリアリスからナチ・オリンピックへ――国士舘大学附属図書館所蔵貴重図書にみるスポーツの歴史
- 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科(編)
- 2003年7月,国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科 刊
- CiNii(所蔵図書館)
国士舘大学に所蔵されているスポーツ関係貴重図書を,ルネッサンス期の貴重な文献を遣したメルクリアリス(1573)から始め,現代スポーツの象徴的イベントであったナチ・オリンピック(1936)へいたるという流れの中に位置づけてみた。
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論文
原著論文
報告・会報等
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発表・講演
- 及川佑介(2023年3月26日).「Ghana(Accra)におけるバスケットボールチーム(DUNK)に関する研究:スポーツによる国際開発研究の一環として」東京体育学会(国士舘大学).
- 及川佑介(2018年3月11日).「日本バスケットボール史における李想白の功績について――史料別にみる評価」東京体育学会(武蔵野調理師専門学校).
- 及川佑介(2017年7月4~7日).「大日本バスケットボール協会の機関誌『籠球』(1931年~1942年)に関する一考察」東北アジア体育・スポーツ史学会第12回大会(中国:杭州).[発表要旨]
- 及川佑介(2015年8月11~14日).「日本におけるバスケットボールの戦術のシステム化に関する一考察――李想白『指導籠球の理論と実際』(昭和5年)を基軸として」東北アジア体育・スポーツ史学会第11回大会(韓国:釜山).[発表要旨]
- 鈴木明哲(コーディネーター),秋元忍,新井博,及川佑介,後藤光将(2014年8月27日).シンポジウム「スポーツの競技・種目史のこれまでとこれから――その意義と課題」日本体育学会第65回大会専門領域企画「体育史」(岩手大学).
- 若山章信(座長),田原淳子,工藤保子,及川佑介(2014年3月18日).シンポジウム「スポーツ活動における男女共同参画を考える」東京体育学会第5回大会(東京体育女子大学).
- 及川佑介(2013年12月1日).口頭発表「スポーツ資料収集家・田尾栄一に関する一考察」スポーツ史学会第27回大会(東洋大学).[発表妙録]
- 及川佑介(2013年8月28日).口頭発表「日本バスケットボール史における遊戯性と競技性に関する一考察(大正13年~昭和5年)」日本体育学会第64回大会(立命館大学びわこ・くさつキャンパス).[発表要旨]
- 及川佑介(2013年8月27日).「体育・スポーツにおける「体罰」・暴力からの脱却――体育・スポーツのイーハトーヴを求めて」(pp. 8-9)体育・スポーツ史研究会(新都ホテル).
- 及川佑介(2013年7月).口頭発表「バスケットボールのオリンピック正式種目決定に関する李想白とForrest C. Allen」東北アジア体育・スポーツ史学会第10回記念大会(札幌市定山渓ビューホテル).[発表要旨:日本語・韓国語・中国語]
- 及川佑介(2013年3月6日).口頭発表「大日本バスケットボール協会の設立に関する史的考察――李想白を基軸として(昭和5年)」東京体育学会第4回学会大会(国士舘大学世田谷キャンパス).[発表要旨]
- 及川佑介(2012年11月20日).講演「李相白と松本幸雄からみる昭和初期のバスケットボール史」高千穂大学総合科目B.
- 及川佑介(2012年8月).バスケットボールの指導者の類型に関する一考察(大正末期~昭和初期)――李想白の小論を基軸として.日本体育学会(東海大学).
- 及川佑介(2012年3月10日).昭和初期におけるバスケットボールの戦術の習熟過程に関する史的考察――システムプレーに着目して.東京体育学会第3回学会大会(国士舘大学世田谷キャンパス).
- 及川佑介(2011年8月).大日本バスケットボール協会と大日本体育協会に関わる李想白(1930~1942).東北アジア体育・スポーツ史学会(台湾:国立台南大学).
- Oikawa, Y. (2010, 6 June). A historical study on “Wood Floor Court” in basketball: The Taisho era to the early Showa era. The First Wingate Congress of Exercise and Sport Sciences. Israel: Zinman College.
- 及川佑介(2008年9月9日).李想白『指導籠球の理論と実際』(昭和5年)に関する一考察――「システムプレー」について『日本体育学会大会予稿集』59,69.http://ci.nii.ac.jp/naid/110007515242
- 及川佑介(2008年8月).昭和初期におけるバスケットボールの戦術体系に関する一考察――李想白の小論「コーチの類型と進化」(昭和10年)を中心として.東北アジア体育・スポーツ史学会第8回大会(中国・大連市委黨校培訓中心酒店南區).
- 及川佑介(2008年5月).日本における李想白の業績に関する一考察.体育史学会定例研究集会(びわこ成蹊スポーツ大学).
- 及川佑介(2007年8月).李想白と日本バスケットボール界.東北アジア体育・スポーツ史学会(韓国:忠南大学).
- 及川佑介(2005年8月).バスケットボールの黎明期における李想白.東北アジア体育・スポーツ史学会(筑波大学研究交流センター).
- 及川佑介(2004年9月1日).『籠球研究』(昭和9年~11年)の編者松本幸雄に関する一考察『日本体育学会大会号』55,151.http://ci.nii.ac.jp/naid/110007680075
- 及川佑介(2004年5月).『籠球研究』(昭和9年~昭和11年)について.日本体育学会体育史専門分科会(下関市立大学).
- 及川佑介(2003年12月).バスケットボールのドリブルに関する技術史的研究――オフェンス技術としてのドリブルの成立と展開(大正末期~昭和中期).東北アジア体育・スポーツ史学会(台湾:呉鳳技術學院).
- 及川佑介(2003年5月).バスケットボールのドリブルに関する技術史的一考察――昭和初期の退避的技術から攻撃的技術への変化.日本体育学会体育史専門分科会(東京女子体育大学).
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